今日だけは心行くまま

短編

何度も腰を跳ねさせてよがるのに気づいていたが、無心を決め込む。
細い腰を両手でつかみながら花芯を舐めるのに夢中になる。
「――っっ!」
何度目か分からない茜の嬌声が響く。

もっと深く。もっと感じさせたい。もっと乱れさせたい。
いつも抵抗してくる茜は可愛いけど、その抵抗を封じたら、きっともっと溺れてくれる。

花芯を舌先で剥きながら、根本から先端、側面を舐めまわす。
いつもなら太ももに挟まれて抵抗を強められてしまうのだが、今は何にも阻まれない。
腰が大きく跳ねそうになるたび、腰に回ったベルトが動きを最小限に抑えてくれる。

親指で少し押しながら舐めるとひときわ大きな嬌声が上がった。
茜の体が跳ねて途切れ途切れの悲鳴が耳を打つ。目の前でひくつく花芯が愛おしくて人差し指でそっと撫でたら「もうダメ」と弱々しい嬌声と共に再び体が跳ねた。
自分の思い通りに感じてくれる茜に愛おしさが溢れて止まらない。

花芯から唇を離して体を起こす。
茜はぐったりと四肢を投げ出して喘いでいた。
肌の色は煽情的に色づいていて、立ち昇る匂いがこちらを酔わせる。
少し汗ばんだ胸と腹が大きく上下していて思わず食らいつきたくなる。

茜の両手と両足には柔らかな手錠をかけてある。
その手錠をパイプベッドに鎖で繋ぎ、大の字に寝かせてあった。

――ちなみに合意の上だ。

こういうことをしてみたい、と言ったら非常に複雑そうな顔で考え込んだあと、承諾してくれた。
絶対に痛くしないことだけは厳命された。
もちろんだ。茜を傷つけるつもりはない。

茜は快楽に弱い。
抵抗されるとこちらの理性のたがが外れるのも早く、余裕がなくなるので短時間で終わってしまう。
拘束によって今回はゆっくり、丁寧な愛撫を繰り返すと直ぐに達した。
嬉しくなって興奮し、何度も茜を追い上げた。何度かやめてと言われたけど止められない。

言い訳になるが――それは、約束していない。
泣き出した茜だけど、それは可愛いだけでしかなくて、もっと尽くしたくなる。
もっともっと茜を1人占めしたい。ぐずぐずに蕩かしてねだられたい。

理性が残っているうちからじっくり反応を堪能できたので、茜の良いところをまだ見つけることができた。羞恥に頬を染めながら、快感に耐えようとする顔も、耐えきれなくて意識を飛ばす顔も。
応えてくれる茜は天使だと思う。

もう少し身を乗り出して茜の様子を窺うと、わずかに開いた唇と、泣いたのが分かるぐらい潤んだ瞳が見えた。衝動的な支配欲と征服感で息が荒くなる。下半身が痛いほど固くなるのが分かった。

少し膝を詰めて、茜のお尻を持ち上げる。自分の太ももに乗せながら、茜の脇腹から胸までを撫でた。
寝台脇のローションを使い、先ほどと同じように両手を広げてゆっくりと撫でる。
ローションによって茜の体がテラテラ光っていく。
間接照明に照らされた裸体が興奮を誘う。

まどろんでいた茜が目覚めた。
覗き込んでる俺に目を丸くする。
何か言おうと口を開くのが見えたが、その前に胸を撫でまわした。茜はくっと息を詰まらせて顔を逸らせる。

ああ、いいな、それ。

羞恥に染まりながら声を押し殺して喘ぐ茜は最高に可愛い。
両手で胸を揉みしだき、尖った先端を優しく愛撫する。
「ん、ぁ」
甘い声が腰や下肢を刺激する。ローションのお陰で痛みはないはずだ。
顔を赤くさせた茜が唇を震わせながら呼吸を繰り返し、ときおり体を震わせて小さく果てる。

そんな様子を見ながら、優しく、手の平に感じるしこりだけを重点的に刺激した。
茜が身じろぎしようとしたが、両腕の手錠が引かれて動きを制限された。
「かわい」
右胸の頂を人差し指で軽く撫でる。小さな手が敷布をキュッと握っていて、身を捩らせて刺激から逃げようとしている姿も愛らしい。少し内股になって足の指をギュっと握ったり開いたりしている。
下半身の昂りを感じながら微笑みかけた。

「舐めるのと入れるのと、どっちがいい?」

茜が目を丸くした。尋ねながらも本当は待つつもりなどなかった。
「先にこっちだよな」
まだ熱の篭る場所に親指を宛がう。
膝の上に乗せて膝を大きく開いたそこに当てた親指は熱く濡れていた。
「は、あああ、ああ、や、んんん!」

自分の膝を立てると茜の体は窮屈に曲がる。
丸見えになった場所に自分のものを宛てがいながら親指を震わせる。
茜がわずかに抵抗しようとするたびに動きが伝わり、自分のものから伝わる快楽に興奮する。
荒くなった呼吸のまま茜にのしかかる。
「あ、あん、んん! もう、もう、あああ」
とめどなく溢れてくる愛液を掬って擦り付ける。茜が首を竦めて身を捻った。必死に逃げようとする姿を見て腰をつかむ。逃がす訳がない。興奮で呼吸が荒くなっていることを自覚する。
「可愛すぎる、茜」
「あああ、あ、あああっ」

茜が弾けるまで愛を囁き直接的な官能を与え、やがて茜が大きく果てた。

ぐったりと脱力する茜を寝台に下ろし、その腰を再び左腕で支えた。
寝台に横たわらせて少しだけ距離を離す。
身を屈めて、再び舌を伸ばす。

胸を触るよりも、花芯を弄ぶよりも、茜はもっともこれに反応を返す。
自分ではその行為を好きでも嫌いでもなかったが、初めて試したとき茜の反応が可愛すぎて、以来、積極的に取り入れていた。

先ほどもこれで茜を飛ばしたばかりだが、潤ったそこを舌でなぞりあげると、茜の体が跳んだ。
一気に覚醒したようだ。
「だめっ! だめ、もうやだぁ!」
激しく乱れた呼吸の中で茜が暴れようとする。太ももから両腕を差し入れて彼女の腰をつかみ、動けないようにしながら唇で挟み込む。そんなことをすればいつも両手で髪の毛をつかまれたりするのだが、今は手錠によって邪魔も入らない。舌先で根本を執拗にねぶってから先端を舌先で細かく擽る。
「ぅうぁ……っ」
薄い腹や太ももが力むのが分かる。ビクビクと震えるその腹に手を当て、もっと堪能するように舌を伸ばす。
「や、は、あ、あっ」
舌先で舐め上げながら親指で花芯の上辺をなぞる。

ぐったりした茜の足を広げ、挿入できるように何度か調整した。
腰をしっかりとつかみなおす。
「ふぁ……あ」
尖り切った花芯になぞられて、俺も息を詰める。
ぬかるんだそこは大した抵抗もなく受け入れてくれた。物凄い圧迫感と熱に包まれて理性が飛びかける。
茜が体を震わせた。

苦しそうだ。快楽に飛びそうなのか、呼吸が苦しいのか。

俺は少しだけ体を離して茜のお腹を撫でる。
少し力を込めて、中に入った俺のものがあるであろう場所を。
茜が必死に押し殺した喘ぎを洩らす。ほんの少し体を揺らせるだけで茜の中がきゅうきゅうと締め付けてくる。いいところに当たっているのかもしれない。

閉じていた場所を指で開き、まだ尖り切って先端を覗かせているそこに指を伸ばした。

腰が跳ねたけれど、腰に回した腕で押さえ込む。
「や! だめ!」
ぐじゅぐじゅになったそこは非常に滑らかだ。人差し指と中指で側面をぐりぐりと撫でる。
「きゃ、ああっ、んん!」
目をかたく瞑った茜は奥歯を噛み締めながら体を小さく縮こませた。
がくがくと震え、茜の中が大きく収縮を繰り返す。
あっという間に持っていかれそうになって、やばい、と必死で耐える。
自分の気を紛らわせるように茜の腰を撫でる。自分の意志で縋りついてくる茜に満たされていく。
茜が何度も達するたび、腰を引いて耐える。

やがて激しかった収縮が終わり、耐えきった俺は顔を上げた。
茜の表情を見ると疲れたように横を向いて呼吸を整えている。
俺が少しでも身じろぎすると唇を引き結んで「ん」と鼻にかかる声を出す。
目は潤んで蕩けていて、ゆっくりと瞬きを繰り返している。

見惚れていると視線が合った。
ほんの数秒、1秒もなかったかもしれない。
潤んだ瞳で、小さな赤い唇で、茜が「はやく」と唇の動きだけで伝えてきた。

思い切り、心臓を鷲掴みにされた。
期待に応えるというより自分の欲望のために。
欲望のまま、真っ白になった頭で覆いかぶさる。手錠をかけた茜の手首を自分の両手で覆うようにつかみ、充分潤った茜の中心に、自分を突き入れた。体の下で茜がもがいたが、腰を動かすとギチギチに締め付けてくる。潤いが充分なため抵抗は悦さしかもたらさない。

茜を突き上げるたびにきつく締め付けられ、絞り取られるような収縮に抗いきれない。
「はや、く。おねが」
小さな、切実な懇願。両手を拘束された茜が両足で縋りつこうとしてくるのが分かる。
けれど両足も拘束されているためそれ以上は動かせない。
可動範囲で腰を押し付けてくる。
「ぐっ、あ、茜、茜」
奥へ導くように、歪めた表情で必死に見つめられると堪らない。
「もういいから、ぁ」
これまで外側と浅いところだけで茜を追いやって来た。
いよいよ耐えられなくなったのかぐいぐいと腰を押し付けられ、その動きに煽られる。
「ぅあ」
茜に言われるまでもない。一番深いところにまで腰をぶつける。
必死で腰を振る。
奥の方を衝くたびに大きな喘ぎ声が許してと解放を求めてくる。
茜の中が射精を促すようにねっとり撫でて来て、腰が痺れた。絞り取るような収縮。
「うあ、あ、茜」
「――っ!」
目の前が白く焼けて強い快感が弾けた。

俺の体の下でもがく茜を感じる。
両足を絡ませて、白い肢体が大きく跳ねるのを見る。
必死に耐えようとし、それでも感覚に翻弄され、耐えきれず崩壊する。
そんな茜の表情はいつ見ても愛らしくて支配欲が満たされ、もっと、と次の欲望の手助けをする。

絞り取られるまま奥へと出し切った俺は静かに引き抜いた。
茜の意識は完全に飛んでいる。
小さく「ん」と震える彼女の頬に口付けを落とし、役目を果たしたものを取り外してゴミ箱に捨てて、そしてまた棚から新しいものを取り出す。

つい先ほどまで乱れていた茜はまるで天使のようにあどけなく無防備な姿を晒している。
「やべ」
にやける顔を押さえて視線を逸らす。

いつもは茜がまだ起きていて、他愛ない会話を交わしながらシャワーを浴びたりするのだが、今日は激しすぎた。正直、腰が痛い。

けれど、もっと求めさせたい。もっと泣いて欲しい。もっと乱れて欲しい。
いつもなら穏やかな気持ちで茜を腕に閉じ込めて眠るのだが、環境のせいだろうか、少し、まだ少し、と求める気持ちが止まらない。

嗜虐心が湧き上がるまま、横を向いていた茜の頬に触れて、こちらを向かせる。
このままでも充分二回戦目に突入できるが、やっぱり茜をどろどろに甘やかしてから食らいつくしたい。

そんな欲望が湧き上がる。
先ほどまで俺のものを飲み込んでいた下肢を指で開き、そっと掻き出す。
もちろん、中に放ってはいないから白濁が出てくるわけではない。

いつか――そんなことを想像するだけで充分幸せだった。

茜の胸にキスをする。
汗ばんだ肌に触れ、何とはなしに手を這わせながら素肌を味わう。

「茜」
満たされながら、小さく呼びかける。
最高の誕生日プレゼントをありがとう、と。

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